【質疑内容】
不動産や株式など財産の名義変更があった場合の贈与税の課税関係について説明してください。
【回答内容】
1 関係法令等
相続税法基本通達9-9《財産の名義変更があった場合》は、不動産、株式等の名義の変更があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱うものとする旨定めています。
2 裁判例等
津地方裁判所平成15年12月4日判決は、要旨、次のとおり判断しています。
相続税法に規定する贈与税の課税原因となる贈与は、贈与者の贈与の意思表示に対して受贈者がこれを受諾することによって成立する契約であるが、一般に妻子等自己と極めて親密な身分関係にある者の間で財貨の移動があった場合、これが租税回避の手段としてされることが少なくない。そのため、贈与税の課税に当たっては実質課税の原則に則り、実質に着目して行われるべきである。
したがって、親族間で財産的利益の付与がされた場合には、後にその利益と同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実である等(若しくは、名義上の利益付与等)特別の事情が存在しない限り、贈与であると認めるのが相当である。
3 回答
不動産や株式など財産の名義変更があった場合には、上記1の相続税法基本通達9-9及び上記2の裁判例に照らし、原則として、贈与税が課税されることとなります。
ただし、財産の名義変更があった場合の取扱いは、相続税法基本通達9-9として、相続税法第9条の法令解釈通達として示されていますが、みなし贈与ではなく、本来贈与として取り扱われている点に留意する必要があります。すなわち、財産の名義変更があった場合には、贈与があったと推定するものであり、その反証があり、これが相当である認められる場合には、その推定を覆すことができます。
作成日:令和7年9月24日