33-31_譲渡所得の金額の計算上控除する資産の譲渡に要した費用

 

【質疑内容】

譲渡所得の金額の計算上控除する資産の譲渡に要した費用(以下「譲渡費用」といいます。)について説明してください。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 所得税法第33条《譲渡所得》第3項は、譲渡所得の金額は、その年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となった資産の取得費及び譲渡費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする旨規定しています。

(2) 所得税基本通達33-7《譲渡費用の範囲》は、所得税法第33条第3項に規定する譲渡費用とは、資産の譲渡に係る次に掲げる費用(取得費とされるものを除きます。)をいう旨定め、その注書は、譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持又は管理に要した費用は、譲渡費用に含まれないことに留意する旨定めています。

資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記若しくは登録に要する費用その他当該譲渡のために直接要した費用

イに掲げる費用のほか、借家人等を立ち退かせるための立退料、土地(借地権を含みます。以下同じ。)を譲渡するためその土地の上にある建物等の取壊しに要した費用、既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除したことに伴い支出する違約金その他当該資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用

(3) 所得税基本通達33-8《資産の譲渡に関連する資産損失》は、土地の譲渡に際しその土地の上にある建物等を取壊し、又は除却したような場合において、その取壊し又は除却が当該譲渡のために行われたものであることが明らかであるときは、当該取壊し又は除却の時において当該資産につき所得税法施行令第142条《必要経費に算入される資産損失の金額》又は第143条《昭和271231日以前に取得した資産の損失の金額の特例》の規定に準じて計算した金額(発生資材がある場合には、その発生資材の価額を控除した残額)に相当する金額は、当該譲渡に係る譲渡費用とする旨定めています。

 

2 裁判例等

最高裁判所平成18年4月20日第一小法廷判決は、要旨、次のとおり判断しています。

譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税する趣旨のものである。

しかしながら、所得税法上、抽象的に発生している資産の増加益そのものが課税の対象となっているわけではなく、原則として、資産の譲渡により実現した所得が課税の対象となっているものである。そうであるとすれば、資産の譲渡に当たって支出された費用が所得税法第33条第3項にいう譲渡費用に当たるかどうかは、一般的、抽象的に当該資産を譲渡するために当該費用が必要であるかどうかによって判断するのではなく、現実に行われた資産の譲渡を前提として、客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断すべきものである。

 

3 回答

(1) 譲渡所得の金額の計算上控除する譲渡費用は、資産の譲渡に際して、その譲渡のために直接要した費用の額の合計額となります。

(2) 譲渡費用に含まれる主なものは次のとおりです。

イ 土地や建物を売却するために支払った仲介手数料

ロ 印紙税で売主が負担したもの

ハ 貸家を売却するため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料

ニ 土地などを売却するためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用及びその建物の損失額

ホ 既に売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売却するために支払った違約金

ヘ 借地権を売却するときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

 

 

作成日:令和7年9月24