(措)35①-07_自己の居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例(配偶者等が居住している家屋)

 

【質疑内容】

1 事実関係

(1) 甲は、その所有する〇〇市〇〇町〇丁目〇番の土地の上に存するA家屋に、その配偶者及び子とともに居住していたところ、令和X年4月の転勤により単身赴任となり、△△市にある社宅であるB家屋に居住していました。

(2) 甲は、令和X+2年に、配偶者及び子を呼び寄せ、配偶者及び子とともにB家屋で居住するとともに、A家屋を貸付の用に供しました。

(3) 甲は、令和X年+6年に、A家屋の借家人を立ち退かせ、再び配偶者及び子がA家屋を居住の用に供するようになりました。

2 質疑事項

甲は、令和X+7年に、A家屋及びその敷地を譲渡しましたが、当該譲渡について、租税特別措置法(以下「措置法」といいます。)第35条第1項に規定する居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例を適用することができますか。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 措置法第35条第1項柱書及び同項第1号並びに同条第2項柱書及び同項第1号は、個人の有する資産が、その居住の用に供している家屋で政令で定めるものの譲渡又は当該家屋とともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利(以下「土地等」といいます。)の譲渡をした場合に該当することとなった場合には、その年中にその該当することとなった全部の資産の譲渡に対する措置法第31条《長期譲渡所得の課税の特例》第1項に規定する長期譲渡所得の金額から3,000万円(長期譲渡所得の金額のうち当該資産の譲渡に係る部分の金額が3,000万円に満たない場合には当該資産の譲渡に係る部分の金額)を控除する旨規定していいます(以下、この規定による課税の特例を「本件特例」といいます。)。

(2) 租税特別措置法施行令第23条《居住用財産の譲渡所得の特別控除》第1項において準用する同令第20条の3《居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例》第2項は、措置法第35条第2項に規定する政令で定める家屋は、個人がその居住の用に供している家屋とし、その者がその居住の用に供している家屋を二以上有する場合には、これらの家屋のうち、その者が主としてその居住の用に供していると認められる一の家屋に限るものとする旨規定しています。

(3) 昭和46年8月26日付直資4-5「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」(以下「措置法通達」といいます。)31の3-2《居住用家屋の範囲》は、措置法第31条の3第2項に規定する「その居住の用に供している家屋」とは、その者が生活の拠点として利用している家屋(一時的な利用を目的とする家屋を除く。)をいい、これに該当するかどうかは、その者及び配偶者等(社会通念に照らしその者と同居することが通常であると認められる配偶者その他の者をいう。以下同じ。)の日常生活の状況、その家屋への入居目的、その家屋の構造及び設備の状況その他の事情を総合勘案して判定し、この場合、この判定に当たっては、次の点に留意する旨定めています。

イ 転勤、転地療養等の事情のため、配偶者等と離れ単身で他に起居している場合であっても、当該事情が解消したときは当該配偶者等と起居を共にすることとなると認められるときは、当該配偶者等が居住の用に供している家屋は、その者にとっても、その居住の用に供している家屋に該当する。

ロ 次に掲げるような家屋は、その居住の用に供している家屋には該当しない。

() 措置法第31条の3第1項の規定の適用を受けるためのみの目的で入居したと認められる家屋、その居住の用に供するための家屋の新築期間中だけの仮住まいである家屋その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

() 主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で有する家屋

(4) 措置法通達35-6《居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例に関する取扱いの準用》は、その者が譲渡した家屋若しくは土地等が措置法第35条第2項各号に規定する資産に該当するかどうか又はこれらの資産の譲渡が同項各号に規定する譲渡に該当するかどうかの判定等については、31の3-2、31の3-6から31の3-15まで、31の3-1731の3-18及び31の3-20から31の3-27までに準じて取扱うものとする旨定めています。

 

2 回答

(1) 措置法通達31の3-2及び35-6の定めにより、転勤などの事情のため、配偶者等と離れ単身で他に起居している場合であっても、当該事情が解消したときは当該配偶者等と起居を共にすることとなると認められるときは、当該配偶者等が居住の用に供している家屋は、その者にとっても、その居住の用に供している家屋に該当することとなります。

(2) 甲は、令和X+2年に、B家屋に配偶者及び子を呼び寄せて、A家屋を貸付の用に供したことから、この時点で、A家屋は「居住の用に供している家屋」には該当しないこととなったものの、令和X年+6年に、A家屋の借家人を立ち退かせ、再び配偶者及び子がA家屋を居住の用に供するようになったことから、A家屋は、再び「居住の用に供している家屋」になったものと考えられます。

(3) したがって、甲の配偶者及び子が再びA家屋へ入居した目的が一時的なものではなく、また、本件特例の適用を受けるためのみの目的で入居したと認められない限り、(ほかの要件を充足することを前提として)本件特例を適用することができるものと考えられます。

 

 

作成日:令和7年9月24