【質疑内容】
法人に対して譲渡所得の起因となる資産を贈与した場合の譲渡所得について説明してください。
【回答内容】
1 関係法令等
(1) 所得税法関係
イ 所得税法第33条《譲渡所得》第1項は、譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいう旨規定しています。
ロ 所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項柱書は、次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除きます。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があったものとみなす旨規定しています。
(イ) 贈与(法人に対するものに限ります。)又は相続(限定承認に係るものに限ります。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限ります。)(第1号)
(ロ) 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限ります。)(第2号)
ハ 所得税法施行令第169条《時価による譲渡とみなす低額譲渡の範囲》は、所得税法第59条第1項第2号に規定する政令で定める額は、同項に規定する山林又は譲渡所得の基因となる資産の譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額とする旨規定しています。
(2) 租税特別措置法関係
租税特別措置法第40条《国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税》第1項前段は、国又は地方公共団体に対し財産の贈与又は遺贈があった場合には、所得税法第59条第1項第1号の規定の適用については、当該財産の贈与又は遺贈がなかったものとみなす旨規定し、その後段は、公益社団法人、公益財団法人、特定一般法人(法人税法別表第2に掲げる一般社団法人及び一般財団法人で、同法第2条第9号の2のイに掲げるものをいいます。)その他の公益を目的とする事業(以下、「公益目的事業」といいます。)を行う法人(外国法人に該当するものを除きます。以下「公益法人等」といいます。)に対する財産(国外にある土地その他の政令で定めるものを除きます。以下同じ。)の贈与又は遺贈(当該公益法人等を設立するためにする財産の提供を含みます。以下同じ。)で、当該贈与又は遺贈が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること、当該贈与又は遺贈に係る財産が、当該贈与又は遺贈があった日から2年を経過する日までの期間内に、当該公益法人等の当該公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みであることその他の政令で定める要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたものについても、また同様とする旨規定しています。
2 回答
(1) 法人に対して譲渡所得の起因となる資産を贈与した場合又は譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で譲渡した場合には、原則として、所得税法第59条第1項及び所得税法施行令第169条の規定により、その時における価額に相当する金額、すなわち、時価により資産の譲渡があったものとみなされ、譲渡所得として所得税が課税されることとなります。
(2) ただし、譲渡所得の起因となる財産を国又は地方公共団体に贈与した場合には、租税特別措置法第40条第1項前段の規定により非課税とされます。
また、譲渡所得の起因となる財産を公益法人等に贈与し、所定の要件を充足した上で、国税庁長官の承認を受けた場合には、租税特別措置法第40条第1項後段の規定により非課税とされます。
作成日:令和7年9月24日
