(所・相・贈)-01建物更生共済契約に係る課税関係

 

【質疑内容】

建物更生共済契約に係る課税関係について説明してください。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項は、次のいずれかに該当する場合においては、次に掲げる者が、次に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす旨規定し、この場合において、その者が相続人であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす旨規定しています。

イ 被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約(保険業法第2条《定義》第3項に規定する生命保険会社と締結した保険契約(これに類する共済に係る契約を含みます。以下同じ。)その他の政令で定める契約をいいます。以下同じ。)の保険金(共済金を含みます。以下同じ。)又は損害保険契約(同条第4項に規定する損害保険会社と締結した保険契約その他の政令で定める契約をいいます。以下同じ。)の保険金(偶然な事故に基因する死亡に伴い支払われるものに限ります。)を取得した場合においては、当該保険金受取人(共済金受取人を含みます。以下同じ。)について、当該保険金(ロに掲げる給与及びホ又はヘに掲げる権利に該当するものを除きます。)のうち被相続人が負担した保険料(共済掛金を含みます。以下同じ。)の金額の当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分(第1号)

ロ 被相続人の死亡により相続人その他の者が当該被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(政令で定める給付を含む。)で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合においては、当該給与の支給を受けた者について、当該給与(第2号)

ハ 相続開始の時において、まだ保険事故(共済事故を含みます。以下同じ。)が発生していない生命保険契約(一定期間内に保険事故が発生しなかった場合において返還金その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約を除きます。)で被相続人が保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該生命保険契約の契約者であるものがある場合においては、当該生命保険契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した保険料の金額の当該契約に係る保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分(第3号)

ニ 相続開始の時において、まだ定期金給付事由が発生していない定期金給付契約(生命保険契約を除きます。)で被相続人が掛金又は保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該定期金給付契約の契約者であるものがある場合においては、当該定期金給付契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した掛金又は保険料の金額の当該契約に係る掛金又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分(第4号)

ホ 定期金給付契約で定期金受取人に対しその生存中又は一定期間にわたり定期金を給付し、かつ、その者が死亡したときはその死亡後遺族その他の者に対して定期金又は一時金を給付するものに基づいて定期金受取人たる被相続人の死亡後相続人その他の者が定期金受取人又は一時金受取人となった場合においては、当該定期金受取人又は一時金受取人となった者について、当該定期金給付契約に関する権利のうち被相続人が負担した掛金又は保険料の金額の当該契約に係る掛金又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分(第5号)

ヘ 被相続人の死亡により相続人その他の者が定期金(これに係る一時金を含みます。)に関する権利で契約に基づくもの以外のもの(恩給法の規定による扶助料に関する権利を除きます。)を取得した場合においては、当該定期金に関する権利を取得した者について、当該定期金に関する権利(ロに掲げる給与に該当するものを除きます。)(第6号)

(2) 相続税法第5条《贈与により取得したものとみなす場合》第1項は、生命保険契約の保険事故(傷害、疾病その他これらに類する保険事故で死亡を伴わないものを除きます。)又は損害保険契約の保険事故(偶然な事故に基因する保険事故で死亡を伴うものに限ります。)が発生した場合において、これらの契約に係る保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者によって負担されたものであるときは、これらの保険事故が発生した時において、保険金受取人が、その取得した保険金(当該損害保険契約の保険金については、政令で定めるものに限ります。)のうち当該保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額のこれらの契約に係る保険料でこれらの保険事故が発生した時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分を当該保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなす旨規定し、同条第2項は、同条第1項の規定は、生命保険契約又は損害保険契約(傷害を保険事故とする損害保険契約で政令で定めるものに限ります。)について返還金その他これに準ずるものの取得があった場合について準用する旨定めています。

 

2 回答

(1) 建物更生共済

イ 建物更生共済の概要

建物更生共済は、JA共済(農業協同組合が行う共済事業)が提供する火災、台風及び地震等の自然災害による建物や動産などの損害を幅広く保障する共済で、特約の付加により、長期間の保障を受けることもでき、また、共済期間の満了時には満期共済金を受け取ることができます。

ロ 共済契約者、被共済者及び満期共済金受取人

() 共済契約者は、共済の対象の所有者若しくはその親族又は共済の対象を管理する者に限られます。

() 被共済者は、共済の対象の所有者に限られ、事故が発生した場合に損害のてん補を受けられる者です。

() 満期共済金受取人は、契約者と被共済者のいずれかの者になり、共済契約者が共済の対象を管理する者の場合は、共済契約者に限られます。

ハ 共済契約関係者の変更

() 共済契約者は、組合の承諾を得て、共済契約者を変更することができ、共済契約者を変更すると、共済契約上の権利義務はすべて新しい共済契約者に承継されます。

() 共済契約者(共済の対象を管理する者を除きます。)は、書面で組合に通知することにより、満期共済金受取人を共済契約者または被共済者に変更することができます。

() 共済契約者は、被共済者が共済の対象を譲渡する場合、あらかじめ書面で組合に通知することにより、被共済者を譲受人に変更することができます。

(2) 建物更生共済契約に係る課税関係

建物更生共済契約については、相続税法第3条又は同法5条において、いずれも規定されていないことから、みなし相続財産やみなし贈与財産とはなりません。

したがって、建物更生共済契約に係る課税関係は、次のとおりとなります。

イ 契約中

() 共済契約者が共済掛金を負担していなかった場合

建物更生共済契約については、共済契約者と共済掛金の負担者が異なる場合であっても、相続税法上、相続により取得したものとみなす旨の規定がないことから、一般的には、共済掛金の負担者が当該掛金を支払った都度、共済契約者に当該掛金の贈与があったものとみるのが相当であると考えられるため、共済契約者に対して、贈与税が課税されます。

() 共済契約者を変更した場合

建物更生共済契約について、共済契約者を変更した場合には、当該変更時に、変更前の共済契約者から建物更生共済契約に関する権利の贈与があったものとして、変更後の共済契約者に対して、贈与税が課税されます。

() 共済掛金を負担していた共済契約者が死亡した場合

建物更生共済契約について、共済掛金を負担していた共済契約者が死亡した場合には、みなし相続財産ではなく、本来の相続財産として、相続税が課税されます。

ロ 満期共済金

建物更生共済契約については、共済契約者と満期共済金受取人が異なる場合であっても、相続税法上、贈与により取得したものとみなす旨の規定がないことから、共済契約者と満期共済金受取人が同一であるか否かにかかわらず、満期共済金は、満期共済金受取人の一時所得の金額の計算上、総収入金額に算入されることとなります(所得税法第34条第1項、所得税基本通達34-1《一時所得の例示》の(4))。

なお、この場合、満期共済金受取人以外の者が掛金を負担していたとしても、一時所得の金額の計算上、総収入金額から控除するその収入を得るために支出した金額は、当該契約に係る掛金の総額となります(所得税法第34条第2項、所得税基本通達34-4《生命保険契約等に基づく一時金又は損害保険契約等に基づく満期返戻金等に係る所得金額の計算上控除する保険料等》)。

 

 

作成日:令和8年1月20