24-2-01_土地区画事業施行中の土地の評価

 

【質疑内容】

土地区画事業施行中の土地の評価について説明してください。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 土地区画整理法関係

イ 土地区画整理法第1条《この法律の目的》は、この法律は、土地区画整理事業に関し、その施行者、施行方法、費用の負担等必要な事項を規定することにより、健全な市街地の造成を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする旨規定しています。

ロ 土地区画整理法第2条《定義》第1項は、この法律において「土地区画整理事業」とは、都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、この法律で定めるところに従って行われる土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業をいう旨、同条第2項は、同条第1項の事業の施行のため若しくはその事業の施行に係る土地の利用の促進のため必要な工作物その他の物件の設置、管理及び処分に関する事業又は埋立若しくは干拓に関する事業が前項の事業にあわせて行われる場合においては、これらの事業は、土地区画整理事業に含まれるものとする旨、同条第6項は、この法律において「宅地」とは、公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地以外の土地をいう旨、それぞれ規定しています。

ハ 土地区画整理法第86条《換地計画の決定及び認可》第1項は、施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならず、この場合において、施行者が個人施行者、組合、区画整理会社、市町村又は機構等であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その換地計画について都道府県知事の認可を受けなければならない旨規定しています。

ニ 土地区画整理法第87条《換地計画》第1項は、同法第86条第1項の換地計画においては、国土交通省令で定めるところにより、①換地設計(第1号)、②各筆換地明細(第2号)、③各筆各権利別清算金明細(第3号)及び④保留地その他の特別の定めをする土地の明細(第4号)を定めなければならない旨規定しています。

ホ 土地区画整理法第88条《換地計画に関する関係権利者の同意、縦覧及び意見書の処理》第2項は、個人施行者以外の施行者は、換地計画を定めようとする場合においては、政令で定めるところにより、その換地計画を2週間公衆の縦覧に供しなければならない旨規定しています。

へ 土地区画整理法第89条《換地》第1項は、換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない旨規定しています。

ト 土地区画整理法第90条《所有者の同意により換地を定めない場合》は、宅地の所有者の申出又は同意があった場合においては、換地計画において、その宅地の全部又は一部について換地を定めないことができる旨規定しています。

チ 土地 区画整理法第94条《清算金》は、換地又は換地について権利(処分の制限を含み、所有権及び地役権を含みません。以下この条において同じ。)の目的となるべき宅地若しくはその部分を定め、又は定めない場合において、不均衡が生ずると認められるときは、従前の宅地又はその宅地について存する権利の目的である宅地若しくはその部分及び換地若しくは換地について定める権利の目的となるべき宅地若しくはその部分又は同法第89条の4《高度利用推進区への換地等》若しくは同法第91条《宅地地積の適正化》第3項の規定により共有となるべきものとして定める土地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等を総合的に考慮して、金銭により清算するものとし、換地計画においてその額を定めなければならない旨規定しています。

リ 土地区画整理法第98条《仮換地の指定》第1項本文は、施行者は、換地処分を行う前において、土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる旨、同条第2項は、施行者は、同条第1項の規定により仮換地を指定し、又は仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を指定する場合においては、換地計画において定められた事項又はこの法律に定める換地計画の決定の基準を考慮してしなければならない旨、同条第5項は、同条第1項の規定による仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知してするものとする旨、それぞれ規定しています。

ヌ 土地区画整理法第99条《仮換地の指定の効果》第1項は、同法第98第1項の規定により仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から同法第103条《換地処分》第4項の公告がある日まで、仮換地又は仮換地について仮に使用し、若しくは収益することができる権利の目的となるべき宅地若しくはその部分について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができるものとし、従前の宅地については、使用し、又は収益することができないものとする旨規定し、同法第99条第2項は、施行者は、同法第98条第1項の規定により仮換地を指定した場合において、その仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するときその他特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を同条第5項に規定する日と別に定めることができる旨規定しています。

ル 土地区画整理法第103条第1項は、換地処分は、関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知してするものとする旨、同条第3項は、個人施行者、組合、区画整理会社、市町村又は機構等は、換地処分をした場合においては、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない旨、同条第4項は、都道府県知事は、都道府県が換地処分をした場合又は同条第3項の届出があった場合においては、換地処分があった旨を公告しなければならない旨、それぞれ規定しています。

ヲ 土地区画整理法第104条《換地処分の効果》第1項は、同法第103条第4項の公告があった場合においては、換地計画において定められた換地は、その公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされるものとし、換地計画において換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は、その公告があった日が終了した時において消滅するものとする旨規定し、同法第104条第8項は、同法第94条の規定により換地計画において定められた清算金は、同法第103条第4項の公告があった日の翌日において確定する旨規定しています。

(2) 相続税法関係

相続税法第22条《評価の原則》は、同法第3章《財産の評価》で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定しています。

(3) 財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます。)関係

イ 評価通達7《土地の評価上の区分》の本文は、土地の価額は、原則として、宅地、田、畑、 山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地及び雑種地の地目(課税時期の現況によって判定します。)の別に評価する旨定め、その注書は、地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則第68条《地目》及び第69条《地目の認定》に準じて行う旨定めています(ただし、山林には、同準則第68条の「(20)保安林」を含み、また、雑種地には、同準則第68条の「(12)墓地」から「(23)雑種地」まで(「(20)保安林」を除きます。)に掲げるものを含みます。)。

ロ 評価通達24-2《土地区画事業施行中の宅地の評価》の本文は、土地区画整理事業(土地区画整理法第2条第1項又は第2項に規定する土地区画整理事業をいいます。)の施行地区内にある宅地について同法第98条の規定に基づき仮換地が指定されている場合におけるその宅地の価額は、評価通達11《評価の方式》から評価通達21-2《倍率方式による評価》まで及び評価通達24《私道の用に供されている宅地の評価》の定めにより計算したその仮換地の価額に相当する価額によって評価する旨、そのただし書は、その仮換地の造成工事が施工中で、当該工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合の仮換地の価額に相当する価額は、その仮換地について造成工事が完了したものとして、本文の定めにより評価した価額の100分の95に相当する金額によって評価する旨、その注書は、仮換地が指定されている場合であっても、①土地区画整理法第99条第2項の規定により、仮換地について使用又は収益を開始する日を別に定めるとされているため、当該仮換地について使用又は収益を開始することができないこと及び②仮換地の造成工事が行われていないことのいずれにも該当するときには、従前の宅地の価額により評価する旨、それぞれ定めています。

ハ 評価通達40《市街地農地の評価》の本文は、市街地農地の価額は、その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額からその農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額(以下「宅地造成費の金額」といいます。)を控除した金額に、その農地の地積を乗じて計算した金額によって評価する旨定めています(評価通達39《市街地周辺農地の評価》、評価通達49《市街地山林の評価》及び評価通達58-3《市街地原野の評価》も同様の定めです。)。

ニ 評価通達82《雑種地の評価》の本文は、雑種地の価額は、原則として、その雑種地と状況が類似する付近の土地(以下「比準土地」といいます。)について評価通達の定めるところにより評価した1㎡当たりの価額を基とし、比準土地とその雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮して評定した価額に、その雑種地の地積を乗じて計算した金額によって評価する旨定めています。

 

2 裁判例等

(1) 東京地方裁判所令和3年12月3日判決は、要旨、次のとおり判断しています。

一般に、土地区画整理事業の施行区域内は、その全域が、都市計画法又は土地区画整理法に基づく建築制限等の規制が及び、その時点における土地の自由な処分及び有効な使用が制限されるから、短期的には、当該土地の市場性、収益性等は減退することになる。一方で、土地区画整理事業は、同事業における従前の土地の権利者に対し、同事業施行後の土地を換地として与えるものであり、換地は、従前の土地とその位置、地積、利用状況、環境等が照応するように定めなければならず、その照応上不均衡が生ずると認められるときは金銭によって清算するものとされている(土地区画整理法第89条、第94条等)。そして、土地区画整理事業は、公共施設の整備改善及び宅地の利用増進並びにこれらによる健全な市街地の造成を図ることを目的として行われるものであるため(同法第1条、第2条)、同事業施行後の土地は、相当の開発利益が付加され、又はこれを随伴するものとなる蓋然性が高く、したがって、同事業施行後の土地の価額は、少なくとも合理的にみて相当の上昇が見込まれるものであって、実際にも従前の土地より価格が上昇するのが通例といえる。

そして、このような減価要因及び増価要因は、当該区域の路線価の評定過程、すなわち、売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基とした路線価の評定過程(評価通達14《路線価》)を通じて適正に反映されることとなり、土地区画整理事業の施行区域内の土地は路線価により適切に評価することができるというべきである。

(2) 東京地方裁判所平成301030日判決は、要旨、次のとおり判断しています。

土地区画整理事業の施行地内にある宅地については、当該事業の進行具合により評価する対象となる宅地が異なるなど、個別的な対応をすることが多いため、個別評価を行う地区以外の路線価等の評定と同様に、①標準地を選定し、②不動産鑑定士等から当該標準地に係る不動産鑑定評価又は意見の提出を受け、③当該標準地の仲値(買い進みや売り急ぎがなかったものとした場合における価格)を把握し、④当該標準地の仲値を基に、⑤路線価の案をあらかじめ評定し、納税義務者から相続税又は贈与税の申告に当たり、個別評価地区内の土地について個別評価申出書が提出された場合には、あらかじめ評定した路線価の案を基に、必要に応じて現地調 査及び隣接地域とのバランスの検討等を行い、個別評価を回答するとされているのであり、個別評価における路線価の評定手順もそれ以外の路線価に係る評定手順とほとんど同様であることからすれば、土地区画整理事業施行中である宅地の評価方法として上記個別評価は合理的なものであると認めるのが相当である。

(3) 東京地方裁判所平成22年9月24日判決は、要旨、次のとおり判断しています。

評価通達24-2は、「仮換地が指定されている場合であっても、土地区画整理法第99条第2項の規定により、仮換地について使用又は収益を開始する日を別に定めるとされているため、当該仮換地について使用又は収益を開始することができず、かつ、仮換地の造成工事が行われていないときには、従前の宅地の価額により評価する」と定めているのは、このような場合、仮換地が指定されていても従前の宅地がそのまま使用されており、また、仮換地指定の前後で道路状況に変更がなく、従前の道路に路線価を付することにより、従前の宅地の価額を評価することが可能である一方、仮換地に指定された土地の現況に応じて、仮換地の価額に相当する価額を算定することが困難であることを理由とするものであり、このような評価方法には、合理性が認められるというべきである。

(4) 国税不服審判所平成121031日裁決は、要旨、次のとおり判断しています。

土地区画整理法第98条第1項は、換地処分を行う前において、土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合等においては、仮換地の指定ができる旨規定し、同法第99条第1項は、仮換地が指定された場合、従前の宅地について使用収益することができる者は、仮換地について使用収益をすることができるが、その反面、従前の宅地については、使用収益ができない旨規定している。

また、仮換地の指定は、土地区画整理法第103条《換地処分》に規定する換地処分に先立って行われ、原則的に、仮換地の指定を受けた部分が将来そのまま換地として指定されることになる。

そして、このような換地処分の性格に照らし、評価通達24-2は、土地区画整理事業の施行地区内にある宅地に仮換地の指定がなされている場合について、当該宅地の評価は、仮換地の価額に相当する価額により評価する旨、そのただし書は、その仮換地の造成工事が施工中で、 当該工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合の仮換地の価額に相当する価額は、その仮換地について造成工事が完了したものとして、本文の定めにより評価した価額の100分の95に相当する価額によって評価する旨定めているところ、仮換地指定を受けた宅地を譲渡する場合、法律上は従前の宅地の譲渡であるとしても、当該譲渡を受けた者は、仮換地についてのみ使用収益をすることができ、その仮換地について、実際に換地処分がなされることからすると、当該譲渡に係る取引価額は仮換地の現況を基に決定されるものと考えられる。

したがって、土地区画整理事業施行中の宅地について、仮換地の指定があった後の宅地についての客観的な交換価値を仮換地の価額に相当する価額によって評価する旨の評価通達24-2の定めは合理性を有するものということができるし、土地区画整理法第99条第2項の規定により、仮換地を使用収益ができる日までに相当の期間がある場合には、いずれ仮換地の使用収益の開始及び最終的な換地処分が予定されているとはいえ、この点については何らかの考慮をすべきであることからすると、その24-2のただし書の定めについても合理性を有するものということができる(本裁決は、平成14年課評2-2ほかによる改正前の評価通達24-2に係る判断である。)。

(5) 広島地方裁判所昭和541017日判決及び広島高等裁判所昭和56年3月24日判決は、要旨、次のとおり判断しています。)

そもそも地目の認定は土地全体としての状況及び利用目的に重点を置いてなすべきものであるところ、本件土地区画整理事業は宅地造成を目的としたものであること及び昭和47年1月1日当時本件土地区画整理事業の施行地区内は全般にわたり宅地造成途上の外観を呈していたことは認定のとおりであるから、市長が、不動産登記事務取扱手続準則所定の地目の定め方に従い、固定資産評価基準所定の各地目(田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、雑種地)のうち、本件各土地の現況地目を、田ないし原野のいずれにも該当しない雑種地と認定したのは相当というべきである。

 

3 回答

(1) 従前地の価額で評価する場合

イ 土地区画整理事業の施行地区内にある宅地について、仮換地が指定されても、使用開始の日が定められず、造成工事等の着工時期も未定のまま、事実上、従前地を使用している場合が見受けられるところ、このような地域の土地については、①仮換地が指定されても、従前の宅地をそのまま使用していること、②道路状況が仮換地の指定前後で変更がなく、従前の道路に路線価を付すことにより、従前の宅地の価額を評価することが可能であること及び③仮換地に指定された土地の現況に応じて、清算金の額、換地処分までの期間等の諸事情を総合勘案して仮換地の価額に相当する価額を算定することが困難であることから、あえて仮換地の価額に相当する価額で評価する必要はなく、従前の道路に基づいて路線価等を評定し、これに基づき従前の宅地の価額を評価することが相当であると考えられます。

ロ したがって、土地区画整理法第99条第2項の規定により、仮換地について使用又は収益を開始する日を別に定めるとされているため、当該仮換地について使用又は収益を開始することができず、かつ、仮換地の造成工事が行われていない場合には、従前の宅地の価額により評価することとなります。

なお、仮換地の指定がされていない場合には、そもそも評価通達24-2は適用されないから従前の宅地の価額により評価することとなります。

ハ 具体的には、従前地が市街地農地の場合、地目については、課税時期における現況により判定することとなるため農地となり、その価額については、当該農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額から宅地造成費の金額を控除した金額に、当該農地の地積(従前地の地積)を乗じて計算した金額によって評価することとなります。

(2) 仮換地の価額に相当する価額で評価する場合

イ 仮換地の指定が行われると、従前の宅地について権限に基づきこれを使用収益できることになっている者は、仮換地の指定の効力発生日からは、仮換地について、従前の宅地について有していた権利の内容たる使用収益権と同じ内容の使用収益権を取得する一方、従前の宅地について有していた使用収益権は停止されます。また、仮換地の指定は、換地計画において定められた事項ないし法で定まる換地計画の決定基準を考慮して行われるとともに、仮換地指定地にそのまま換地される蓋然性も高いのが実情です。さらに、仮換地の指定直後であればともかく、区画整理工事が進捗すると、従前の宅地は、その形骸をとどめないような場合も生じてきて、結局、従前の宅地そのものを評価することは、物理的に不可能となります。これらの事情を考慮すれば、仮換地の指定が行われた後であれば、仮換地指定地の現況に従って評価した価額に、清算金の額、換地処分の蓋然性の程度、換地処分までの期間等の諸事情を総合勘案し、必要があると認められる場合には補正を行い、評価額を算定するのが相当であると考えられます。

なお、仮換地の指定が行われている場合であっても、造成工事が未了の場合には、宅地としての効用は、現実には果たし得ないことから、仮換地の指定の効力の発生日から造成工事の完了の日までの間に課税時期が到来した場合で、造成工事の完了の日まである程度の期間を要すると認められるときは、その利用上の制限を考慮して評価する必要があるものと考えられます。

ロ したがって、土地区画整理事業の施行地区内にある宅地について仮換地が指定されている場合におけるその宅地の価額は、評価通達11から評価通達21-2まで及び評価通達24の定めにより計算したその仮換地の価額に相当する価額によって評価することとなり、造成工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合には、造成工事が完了したものとして評価した価額の100分の95に相当する金額によって評価することとなります。この場合、評価通達24-2の本文に定める「仮換地の価額に相当する価額」とは、①そのただし書において、「その仮換地の造成工事が施工中で、当該工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合の仮換地の価額に相当する価額は、その仮換地について造成工事が完了したものとして、本文の定めにより評価した価額の100分の95に相当する金額によって評価する」旨定めていること及び②土地区画整理事業に係る事業資金は、保留地処分金のほか、公共側から支出される社会資本整備事業特別会計補助、一般会計補助、公共施設管理者負担金及び助成金に相当する資金から構成され、これらの資金を財源に公共施設の工事、宅地の整地、家屋の移転補償等が行われ、地権者が造成工事に係る費用を負担することはないことからすれば、造成工事が完了した状態の価額をいうものと考えられます。

ハ 具体的には、次のとおり評価することとなります。

() 仮換地の造成工事が完了している場合

仮換地が宅地の場合には、その宅地の価額は、評価通達11から評価通達21-2まで及び評価通達24の定めにより計算したその仮換地の価額に相当する価額によって評価することとなります。

なお、例えば、仮換地が市街地農地の場合には、地目については、課税時期における現況により判定することとなるため農地となり、その価額については、当該農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額から宅地造成費の金額を控除した金額に、当該農地の地積(仮換地の地積)を乗じて計算した金額によって評価することとなります。

() 仮換地の造成工事が完了していない場合

地目については、課税時期における現況により判定することとなるため、仮換地の造成工事が完了していない場合には、通常、宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼及び鉱泉地のいずれにも該当しないことから雑種地と判定することとなり、その価額については、比準土地について評価通達の定めるところにより評価した1㎡当たりの価額を基とし、比準土地とその雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮して評定した価額に、その雑種地の地積(仮換地の地積)を乗じて計算した金額によって評価することとなります。この場合、地権者が造成工事に係る費用を負担することはないことから、仮換地に相当ずる価額の評価に当たって、原則として、宅地造成費の金額を控除する必要はありません。

なお、例えば、従前地が市街地農地であり、概ね当該従前地の位置に仮換地が指定され(いわゆる現地換地)、区画の変更のみが行われる場合には、宅地造成費の金額を控除することとなります。

(3) 交付を受け又は徴収される清算金の取扱い

イ 土地区画整理事業の最終段階では、換地処分の公告が行われるところ、換地は、従前の宅地とその位置、地積、環境などが照応するように定められることになってはいるが、実際上、それが完全に照応することは不可能であるから、その過不足が、清算金によって清算されるごととなり、換地処分の公告に伴い、清算金の交付を受ける者と、清算金を徴収される者が生じることとなります。

換地処分の公告が行われる場合には、それ以前に換地計画が定められるところ、その換地計画は、換地設計のほかに、各筆の各権利別清算金の明細についても取り決められ、関係者の縦覧に供された上で、知事の認可を経て決定し、公告されることから、換地処分が行われる直前には、仮換地について使用収益ができる者は、清算金が交付されるのか、徴収されるのか、その額はいくらか、ということが明確になっている場合が多いところ、この清算金は、従前の宅地と換地との価額関係の過不足を清算するものであるから、従前の宅地の価額を仮換地の価額を基として評価しようとする場合、清算金と仮換地の価額とは一体としてみるべきであると考えられます。

ロ したがって、換地処分の公告の前に課税時期が到来する場合には、換地処分により交付又は徴収される清算金のうち、課税時期において確実と認められる清算金については、交付されることとなる清算金の額は仮換地の価額に相当する価額に加算し、徴収されることとなる清算金の額は仮換地の価額に相当する価額から控除して評価することとなります。この場合、土地区画整理事業の施行者(個人施行者を除きます。)は、換地計画を定めようとする場合においては、その換地計画を2週間公衆の縦覧に供しなければならないから、当該縦覧期間内以降に課税時期が到来する場合には、原則として、課税時期において確実と認められる清算金に該当するものと考えられます。

なお、交付を受け又は徴収される清算金は、換地処分の公告の翌日において確定することから、換地処分の公告の翌日以後清算金の交付又は徴収前に課税時期が到来する場合には、当該清算金は、債権(未収清算金)又は債務(未払清算金金)となり、土地の価額に影響を及ぼすことはありません。

(4) 換地不交付の申出をしている場合

所有者から換地不交付の申出があり、土地区画整理法第90条の規定により換地が定められなかった場合には、同法第94条の規定により清算金が支払われることとなるところ、交付を受ける清算金は、換地処分の公告の翌日において確定することから、換地処分の公告の翌日以後清算金の交付前に課税時期が到来する場合には、相続財産は、債権(未収清算金)となりますが、換地不交付の申出から換地処分の公告の日までの間に課税時期が到来する場合に、相続財産が土地(従前地)となるのか、あるいは債権(未収清算金)となるのか疑義が生じるところです。

 

この点、①土地区画整理法第90条は、宅地の所有者の申出又は同意があった場合においては、換地計画において、その宅地の全部又は一部について換地を定めないことができる旨規定しており、換地を定めないことは換地計画において定められること、②仮換地が指定されていない場合には、評価通達24-2は適用されず、評価通達11から評価通達21-2などを適用することとなること及び③上記(3)との整合性をも考慮すれば、換地不交付の申出から換地処分の公告の日までの間に課税時期が到来する場合には、相続財産を債権(未収清算金)と判断するのは相当ではなく、土地(従前地)と判断するのが相当であり、そうすると、上記(3)と同様に、清算金の額が課税時期において確実と認められる場合には、従前地の価額を清算金の額により評価し、清算金の額が課税時期において確実と認められない場合には、従前地の価額を評価通達 11から評価通達21-2などにより評価することとなるものと考えられます。

 

作成日:令和7年9月24