(所・贈)-21_信託に係る課税関係(一般的な信託)

 

【質疑内容】

甲は、賃貸の用に供している土地(以下「本件土地」といいます。)を有していたところ、甲及び乙は、委託者を甲、受託者を乙、受益者を丙(甲の孫で未成年である。)及び信託財産を本件土地として信託契約(以下「本件信託契約」といいます。)を締結しました。

なお、本件信託契約においては、丙が成人した時に、本件信託契約は終了するとともに、丙が本件土地を受け取ることとされています。

この場合の課税関係について説明してください。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 相続税法関係

相続税法第9条の2《贈与又は遺贈により取得したものとみなす信託に関する権利》第1項は、信託(退職年金の支給を目的とする信託その他の信託で政令で定めるものを除きます。以下同じ。)の効力が生じた場合において、適正な対価を負担せずに当該信託の受益者等(受益者としての権利を現に有する者及び特定委託者をいいます。以下同じ。)となる者があるときは、当該信託の効力が生じた時において、当該信託の受益者等となる者は、当該信託に関する権利を当該信託の委託者から贈与(当該委託者の死亡に基因して当該信託の効力が生じた場合には、遺贈)により取得したものとみなす旨規定しています。

(2) 所得税法関係

所得税法第13条《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》第1項本文は、信託の受益者(受益者としての権利を現に有するものに限ります。)は当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなし、かつ、当該信託財産に帰せられる収益及び費用は当該受益者の収益及び費用とみなして、この法律の規定を適用する旨規定しています。

 

2 回答

(1) はじめに(信託とは)

信託とは、委託者が、金銭や不動産など自身の財産を、受託者に託し、受託者が委託者の決めた目的に従って、受益者のために管理・運用・処分などを行う制度です。

(2) 信託設定時

相続税法第9条の2第1項の規定により、信託の効力が生じた場合において、適正な対価を負担せずに当該信託の受益者等となる者があるときは、当該信託の効力が生じた時において、当該信託の受益者等となる者は、当該信託に関する権利を当該信託の委託者から贈与により取得したものとみなされます。

したがって、本件信託契約の効力が生じた時において、丙は、信託に関する権利である本件土地を甲から贈与により取得したものとみなされて贈与税が課税されます。

(3) 信託期間中

所得税法第13条第1項本文の規定により、信託の受益者は当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされ、かつ、当該信託財産に帰せられる収益及び費用は当該受益者の収益及び費用とみなされます。

したがって、丙は、信託財産である本件土地に帰せられる収益及び費用について、所得税が課税されます。

(4) 信託終了時

所得税法第13条第1項本文の規定により、本件信託契約の受益者である丙は、信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされ、また、課税済みの信託財産である本件土地を受け取ることから、信託終了時には、特に課税関係は生じません。

 

 

作成日:令和7年9月24