24-6-01_セットバックを必要とする宅地の評価

 

【質疑内容】

1 事実関係

(1) 令和X年4月1日に死亡した甲の相続財産には、〇〇市〇〇町〇丁目〇番に所在する土地(以下「本件土地」といいます。)が含まれていたところ、本件土地は、都市計画法第7条《区域区分》に規定する市街化区域内に所在しており、また、その東側が幅員約6mの市道〇号線(以下「本件東側道路」といいます。)に、その西側が幅員約3mのいわゆる里道(法定外道路であり、以下「本件西側道路」といいます。)にそれぞれ接面しています。

(2) 本件西側道路は、不特定多数の者の通行の用に供されていますが、建築基準法上の道路には該当しません。

 

(3) 令和X年分の財産評価基隼書によれば、本件宅地は路線価地域に所在しており、本件東側道路には100,000円の路線価が、本件西側道路には40,000円の路線価がそれぞれ設定されています。

2 質疑事項

本件土地の価額の評価に当たって、本件西側道路について、財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます。)24-6《セットバックを必要とする宅地の評価》を適用して評価することができますか。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 評価通達関係

評価通達24-6は、建築基準法第42条《道路の定義》第2項に規定する道路に面しており、将来、建物の建替え時等に同法の規定に基づき道路敷きとして提供しなければならない部分を有する宅地の価額は、その宅地について道路敷きとして提供する必要がないものとした場合の価額から、その価額に所定の算式により計算した割合を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する旨定めています。

(2) 建築基準法関係

イ 建築基準法第42条第1項は、同法第3章《都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途》の規定において「道路」とは、次の()ないし()のいずれかに該当する幅員4m(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、6m。)以上のもの(地下におけるものを除きます。)をいう旨規定しています。

() 道路法による道路(第1号)

() 都市計画法、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による道路(第2号)

() 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は建築基準法第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定若しくは改正により同法第3章の規定が適用されるに至った際現に存在する道(第3号)

() 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による新設又は変更の事業計画のある道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの(第4号)

() 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの(第5号)

ロ 建築基準法第42条第2項は、都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は同法第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定若しくは改正により同法第3章《都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途》の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁の指定したものは、同法第42条第1項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離2m(同項の規定により指定された区域内においては、3m(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、2m))の線をその道路の境界線とみな旨規定し、そのただし書は、当該道がその中心線からの水平距離2m未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離4mの線をその道路の境界線とみなす旨規定しています。

 

2 回答

(1) 建築基準法第42条第2項の道路に面する宅地は、その道路の中心線から2mずつ後退した線が道路の境界線とみなされ、将来、建物の建替え等を行う場合には、その境界線まで後退(セットバック)して道路敷きとして提供しなければなりません。このような宅地をセットバックを必要とする宅地といいます。

セットバックを必要とする宅地は、現在の利用には特に支障がない場合であっても、その宅地の価額は、セットバックを必要としない宅地よりも価額が低くなることから、これを財産価値の減価要因とみて、そのような宅地の価額については、評価通達24-6のとおり、その宅地について道路敷きとして提供する必要がないものとした場合の価額から、その価額に所定の算式により計算した割合を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することとされています。

また、セットバックが終了した場合のセットバック部分については、例え所有権を有していたとしても、建築基準法上の道路であり、建物等を建築することはできないことから、私道として評価するのが相当です。

(2) 評価通達24-6に定める「建築基準法第42条《道路の定義》第2項に規定する道路に面しており、将来、建物の建替え時等に同法の規定に基づき道路敷きとして提供しなければならない部分を有する宅地」、すなわち、セットバックを必要とする宅地とは、幅員4m未満の建築基準法第42条第2項に規定する道路に接面する宅地であるところ、本件西側道路は、建築基準法第42条第2項に規定する道路ではありません。

したがって、本件土地の価額の評価に当たって、本件西側道路について、評価通達24-6を適用して評価することはできません。

 

 

作成日:令和7年9月24