節税とは、そもそも税法が予定(又は想定)している範囲で税負担を減少させるという行為をいい、脱税とは、課税要件を充足しているにもかかわらず、仮装(事実を歪曲すること)又は隠蔽(脱漏をすること)と評価できる行為をして、課税を違法に免れようとする行為をいいます。
土地等の譲渡所得の場合、売却した年の1月1日時点で5年を超えていれば分離長期譲渡所得となり、5年を超えていなければ分離短期譲渡所得となりますが、例えば、土地等の売却について、現在において、売買契約を締結し引渡しを完了したとすると分離短期譲渡所得となり、分離長期譲渡所得と比べると税負担が大きくなることから、5年を超えてから売買契約を締結し引渡しを完了するという行為は節税です。他方、売買契約を締結し引渡しを完了したものの、5年を超えていない場合に、売買契約書を改ざんするなどして、5年を超えているように装う行為は脱税です。
脱税と租税回避行為は、人によってとらえ方が異なっており、その意義などは、必ずしも明らかではありませんが、例えば、板倉宏教授は「租税回避は、脱税にはならない。事実を隠したり、仮装したりするものではなく、その行為じたいは真実であるからである。」と、金子宏教授は「租税回避は、一方で、脱税と異なる。脱税が課税要件の充足の事実を全部または一部秘匿する行為であるのに対し、租税回避は、課税要件の充足そのものを回避する行為である。」とおっしゃっており、これらがしっくりくるかなと思います。
作成日:令和7年9月24日