20-5-02_がけ地補正率と宅地造成費との関係

 

【質疑内容】

がけ地補正率と宅地造成費との関係について説明してください。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます。)20-5《がけ地等を有する宅地の評価》は、がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地(評価通達20-6《土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価》の定めにより評価するものを除きます。)の価額は、その宅地のうちに存するがけ地等ががけ地等でないとした場合の価額に、その宅地の総地積に対するがけ地部分等通常の用途に供することができないと認められる部分の地積の割合に応じて評価通達付表8「がけ地補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する旨定めています。

(2) 評価通達40《市街地農地の評価》の本文は、市街地農地の価額は、その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額からその農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額(以下「宅地造成費の金額」といいます。)を控除した金額に、その農地の地積を乗じて計算した金額によって評価する旨定めています。

なお、上記のほか、評価通達49《市街地山林の評価》の本文の定めにより評価する市街地山林、評価通達58-3《市街地原野の評価》の本文の定めにより評価する市街地原野も上記と同様な定めであり、評価通達82《雑種地の評価》の本文の定めにより評価する宅地と状況が類似する雑種地についても、実務上、上記と同様な方法で評価しています。

 

2 回答

(1) がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地の価額は、その宅地のうちに存するがけ地等ががけ地等でないとした場合の価額に、その宅地の総地積に対するがけ地部分等通常の用途に供することができないと認められる部分の地積の割合に応じて評価通達付表8「がけ地補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額によって評価することとされています。

なお、がけ地補正率が適用されるがけ地等を有する宅地とは、平たん部分とがけ地部分等が一体となっている宅地をいい、平たん部分である宅地とそれ以外の部分(山林、雑種地等)を別の評価単位として評価すべき場合はこれに該当しません。

(2) 上記(1)のような評価方法としているのは、その宅地全体としてみれば通常の用途に供することができないと認められることによる減価はあるものの、日照の確保、採光、通風、眺望及び隣棟間隔の保持等による平たん地部分の効用増も認められることから、その宅地のうちに存するがけ地等ががけ地等でないとした場合の価額に対して、宅地全体の価額に、これらの減価及び効用増を考慮した「がけ地補正率表」に定めるがけ地補正率を乗じて計算した金額により評価するとしているものです。

他方、宅地造成費の金額を控除する評価方法は、もっぱら通常の宅地と比較しての減価のみを考慮するものであり、上記の日照の確保等の効用増を考慮したものではありません。

したがって、がけ地補正と宅地造成費の金額の控除とは判断基準を異にするものであることから、両者の重複適用をすることはできません。

 

 

作成日:令和7年9月24