【質疑内容】
月ぎめ駐車場の敷地として利用されている土地の評価に当たって、道路と等高に接面し、その全体に砂利が敷設された平坦な土地の場合、財産評価基準書に定める宅地造成費の金額として、整地費を控除することができますか。
【回答内容】
1 関係法令等
(1) 相続税法関係
相続税法第22条《評価の原則》は、同法第3章《財産の評価》で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定しています。
(2) 評価通達関係
評価通達82の本文は、雑種地の価額は、原則として、その雑種地と状況が類似する付近の土地(以下「比準土地」といいます。)について評価通達の定めるところにより評価した1㎡当たりの価額を基とし、その土地とその雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮して評定した価額に、その雑種地の地積を乗じて計算した金額によって評価する旨定めています。
(3) 財産評価基準書関係
財産評価基準書の「宅地造成費の金額表」の「1 市街地農地等の評価に係る宅地造成費」の「表1 平坦地の宅地造成費」において、整地費の金額は、整地を必要とする1㎡当たり800円と定められており、また、その留意事項の(1)は、整地費とは、①凹凸がある土地の地面を地ならしするための工事費又は②土盛工事を要する土地について、土盛工事をした後の地面を地ならしするための工事費をいう旨定められています(愛知県における令和7年分の財産評価基準書を基としています。)。
2 裁判例等
国税不服審判所は、砂利敷きの土地に係る整地費の控除の可否ついて、要旨、次のとおり判断しています。
(1) 平成26年5月13日裁決
請求人は、砂利敷きの駐車場として使用している土地(本件土地)を評価通達82に基づき評価するに当たり、本件土地には凹凸があるからA国税局長が定めた整地費の金額を控除すべきである旨主張する。
しかしながら、本件土地は、昭和43年に建物が建築され、当該建物が平成8年に取り壊されるまでの間は宅地として利用されていたことから、既に宅地として利用可能な状態にあった土地であると認められ、また、相続開始日においても、本件土地の地表面には凹凸はなく、本件土地の地盤面と本件土地が接する道路面との高低差もないことから、本件土地は、相続開始日において、宅地として利用可能な状態にするための整地、土盛り又は土止めに要する工事が必要な土地であるとは認められない。
したがって、本件土地を財産評価基本通達82に基づき評価するに当たり、整地費の金額を控除することはできない。
(2) 令和6年6月20日裁決
請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の評価に際し、本件土地は、全体に凹凸があることから、財産評価基準書に定める整地費を控除すべきである旨主張する。
しかしながら、本件土地は、接面する道路(本件路線)とほぼ等しい高さで接面し、砂利敷きのほぼ凹凸のない平坦な土地であるから、相続開始の日において、整地工事を要する土地であったとは認められず、本件土地の評価に際し、整地費を控除することはできない。
3 回答
(1) 評価通達82は、上記1の(2)のとおり定めているところ、比準土地を宅地として選定した場合に、比準土地である宅地と評価対象地である雑種地との位置、形状等の条件の差(位置、形状、宅地化のための造成費、建物の建築制限等)を算定する具体的な方法は評価通達には定められていません。
しかしながら、位置及び形状に関する条件の差については、評価対象地である雑種地が評価通達13《路線価方式》に定める路線価方式により評価する地域に所在している場合には、当該雑種地が接面する道路に設定された路線価及び地区区分を基として、評価通達15《奥行価格補正》から評価通達20-7《容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価》までの定めにより計算した金額により評価することが適切であると考えられ、課税実務上、そのように取り扱われています。
また、宅地化のための造成費に関する条件の差ついては、宅地造成費の金額によることが適切であると考えられ、具体的には、財産評価基準書に定められている「宅地造成費の金額表」によることが相当であり、課税実務上、そのように取り扱われています。
(2) 本質疑の雑種地の評価に当たっては、当該雑種地が道路と等高に接面し、その全体に砂利が敷設された平坦な土地であることから、宅地として利用可能な状態にするための整地、土盛り又は土止めに要する工事が必要な土地であるとは認められません。
したがって、本質疑の雑種地の評価に当たって、財産評価基準書に定める宅地造成費の金額として、整地費の金額を控除することはできないものと考えられます(砂利敷きではなく、アスファルトが敷設されていたとしても同様です。)。
作成日:令和7年9月24日
