49-01_贈与税の申告内容の開示請求

 

【質疑内容】

贈与税の申告内容の開示請求について説明してください。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 相続税法第49条《相続時精算課税等に係る贈与税の申告内容の開示等》第1項は、相続又は遺贈(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で同法第21条の9《相続時精算課税の選択》第3項の規定の適用を受けるものに係る贈与を含みます。)により財産を取得した者は、当該相続又は遺贈により財産を取得した他の者(以下、「他の共同相続人等」といいます。)がある場合には、当該被相続人に係る相続税の期限内申告書、期限後申告書若しくは修正申告書の提出又は国税通則法第23条《更正の請求》第1項の規定による更正の請求に必要となるときに限り、次に掲げる金額(他の共同相続人等が2人以上ある場合にあっては、全ての他の共同相続人等の当該金額の合計額)について、政令で定めるところにより、当該相続に係る被相続人の死亡の時における住所地その他の政令で定める場所の所轄税務署長に開示の請求をすることができる旨規定しています。

イ 他の共同相続人等が当該被相続人から贈与により取得した次に掲げる加算対象贈与財産(相続税法第19条《相続開始前7年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項に規定する加算対象贈与財産をいいます。以下同じ。)の区分に応じそれぞれ次に定める贈与税の課税価格に係る金額の合計額(第1号)

() 相続の開始前3年以内に取得した加算対象贈与財産 贈与税の申告書に記載された贈与税の課税価格の合計額(第1号イ)

() ()に掲げる加算対象贈与財産以外の加算対象贈与財産 贈与税の申告書に記載された贈与税の課税価格の合計額から100万円を控除した残額(第1号ロ)

ロ 他の共同相続人等が当該被相続人から贈与により取得した同法第21条の9第3項の規定の適用を受けた財産に係る贈与税の申告書に記載された同法第21条の11の2《相続時精算課税に係る贈与税の基礎控除》第1項の規定による控除後の贈与税の課税価格の合計額(第2号)

(2) 相続税法第49条第2項は、同条第1項各号の贈与税について修正申告書の提出又は更正若しくは決定があった場合には、同項各号の贈与税の課税価格は、当該修正申告書に記載された贈与税の課税価格又は当該更正若しくは決定後の贈与税の課税価格とする旨規定しています。

(3) 相続税法第49条第3項は、同条第1項の請求があった場合には、税務署長は、当該請求をした者に対し、当該請求後2月以内に同項の開示をしなければならない旨規定しています。

 

3 回答

(1) 相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求

相続税の課税価格を算出するためには、相続時精算課税適用財産の価額、暦年課税分の贈与財産の価額が必要となりますが、他の共同相続人等について、これらの価額が不明である場合などには、相続税の課税価格を算出することができないため、相続税の納付すべき税額を算出することができません。

そして、この場合、相続税の申告や更正の請求をしようとする者は、相続税法第49条第1項の規定に基づき、他の共同相続人等が被相続人から受けた①加算対象贈与財産に係る贈与税の課税価格の合計額又は②相続時精算課税制度適用分の贈与に係る贈与税の課税価格の合計額について、贈与税の申告内容の開示請求をすることができます。

(2) 開示請求手続

開示請求をしようとする者は、「相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求書」等に所定の事項を記載し、次に掲げる書類等を添付した上で、被相続人の死亡の時における住所地その他の政令で定める場所の所轄税務署長に、当該開示請求書等を提出します。

イ 全部分割の場合 遺産分割協議書の写し

ロ 遺言書がある場合 開示請求者及び開示対象者に関する遺言書の写し

ハ 上記以外の場合 開示請求者及び開示対象者に係る戸籍の謄(抄)本

なお、相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求手続の詳細や「相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求書」等は、国税庁ホームページの「贈与税の申告内容の開示請求手続」(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/2361.htm)に掲載されています。

(3) 留意事項

相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求に当たっては、次の点に留意してください。

イ 相続税法第49条第1項の規定に基づき贈与税の申告内容の開示が請求できるのは、他の共同相続人等に限られており、請求者自身の開示を請求することはできません。

ロ 相続税法第49条第1項の規定に基づき贈与税の申告内容の開示が請求できるのは、相続税の期限内申告書、期限後申告書若しくは修正申告書の提出又は国税通則法第23条第1項の規定による更正の請求に必要となるときに限られており、それ以外の目的のために開示を請求することはできません。

(注)納税者等が申告書等を作成するに当たり、過去に提出した申告書等の内容を確認する必要があると認められる場合又は過去に提出した申告書等の提出事実・提出年月日の確認をする場合、すなわち、自身の贈与税の申告内容を確認する必要がある場合には、「申告書等閲覧サービス」を利用することができます。詳細は、国税庁ホームページの「申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)」(https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/sonota/050301/01.htm)に掲載されています。

また、上記のほか、行政機関の保有する情報の公開に関する法律第4条第1項の規定に基づき、行政文書の開示を請求することもできます。詳細は、国税庁ホームページの「開示請求の手続」(https://www.nta.go.jp/about/disclosure/tetsuzuki/01.htm)に掲載されています。

 

 

作成日:令和7年12月3日