相続税対策(住宅取得等資金の贈与)

1 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の概要

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例は、令和6年1月1日から令和8年1231日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合において、一定の要件を充足するときに、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となる特例です。

なお、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用要件は、受贈者等の要件、住宅用の家屋の新築等の要件など多岐にわたりますので、事前に当該適用要件を充足するか否かについて、十分検討しておく必要があります。

 

2 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の活用

被相続人の生前に直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を活用すれば、相続財産を減らすことができ、また、受贈者の財産の支出を抑えることができますが、子や孫などが住宅を取得する際に、父母や祖父母などの直系尊属がその資金の一部を負担する場合、住宅取得資金を直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を適用する方法、当該特例を適用せずに資金の調達割合に応じた持分登記をする方法などがあります(このほか、将来の小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例の適用までも考慮し、そもそも、住宅を取得する際の資金を全て父母や祖父母などが負担する方法もあります。)。

(1) 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を適用する方法

例えば、父から贈与を受けた住宅取得等資金が1,650万円で省エネ等住宅の場合、父の相続財産を1,650万円減らすことができます。この場合、残額の110万円について、暦年課税による贈与又は相続時精算課税による贈与のいずれを選択するかによって、贈与者である父が死亡した場合の相続税の加算に影響を与えることとなります(詳細は「相続税対策 生前贈与」を参照してください。)。

(2) 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を適用せずに資金の調達割合に応じた持分登記をする方法

例えば、住宅用家屋の建築費が3,000万円の場合で父が2,000万円、子が1,000万円を負担した場合、父の持分を3分の2、子の持分を3分の1として登記をすれば、贈与税の課税関係は生じません。この場合、父の相続財産である預貯金等を2,000万円減らすとともに、当該住宅用家屋の3分の2が相続財産となりますが、住宅用家屋の固定資産税評価額は、建築費に比し低額であり、年を経過すると固定資産税評価額が減額となることから、節税の効果はあると考えられます(住宅用家屋の取得とともにその敷地も取得する場合には、時の経過により減価することのない土地に子の資金を充てる方法もあります。)

 

 

作成日:令和7年9月24