【質疑内容】
令和X年4月1日に死亡した甲の相続財産に、市街地農地である畑(以下「本件畑」といいます。)があるところ、本件畑は、本件畑が接面する道路よりも約1.5m高い位置にありますが、全体としてはほぼ平坦な土地です。
なお、本件畑が接面する道路面の高さを起点とし、本件畑の頂点が奥行距離の最も長い地点にあるものとして傾斜度を測定すると、傾斜度は3度を超えます。
本件畑の価額を評価するに当たって控除する宅地造成費の金額は、平坦地の宅地造成費の金額と傾斜地の宅地造成費の金額のいずれとすべきですか。
【回答内容】
1 関係法令等
(1) 財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます)40《市街地農地の評価》の本文は、市街地農地の価額は、その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額からその農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を控除した金額に、その農地の地積を乗じて計算した金額によって評価する旨定めています。
(2) 令和X年分の財産評価基準書の宅地造成費の金額表においては、市街地農地、市街地周辺農地、市街地山林及び市街地原野を評価する場合における宅地造成費の金額は、平坦地と傾斜地の区分によりそれぞれ次表に掲げる金額のとおりであるとされ、表1として平坦地の宅地造成費及び表2として傾斜地の宅地造成費が掲げられています。
また、表2の留意事項の(1)では、傾斜地の宅地造成費の金額は、整地費、土盛費、土止費の宅地造成に要する全ての費用を含めて算定したものであるとされ、その(2)では、傾斜度3度以下の土地については、平坦地の宅地造成費の額により計算するとされ、その(3)では、傾斜度については、原則として、測定する起点は評価する土地に最も近い道路面の高さとし、傾斜の頂点(最下点)は、評価する土地の頂点(最下点)が奥行距離の最も長い地点にあるものとして判定するとされています(令和7年分の財産評価基準書を参考としました。)。
2 裁判例等
国税不服審判所令和6年6月20日裁決は、要旨、次のとおり判断しています。
財産評価基準書は、平坦地と傾斜地を区分して、土地の価額の評価に当たり控除すべき宅地造成費を定め、傾斜地の宅地造成費の金額を、整地費、土盛費、土止費の宅地造成に要する全ての費用を含めて算定している。これは、傾斜地を宅地造成する場合、整地工事に加え、土盛工事や土止工事を要するためであると解される。そうすると、土地の価額の評価に当たり傾斜地の宅地造成費を控除すべきか否かは、当該土地の宅地造成を行う場合に、整地工事に加えて、傾斜地を平坦にするための土盛工事や土止工事を要するか否かにより判断すべきである。
3 回答
本件畑は、本件畑が接面する道路よりも約1.5m高い位置にあるものの、全体としてはほぼ平坦な土地であることから、本件畑の宅地造成を行うに当たって、整地工事に加えて、本件畑を平坦にするための土盛工事や土止工事を要するとは認められないため、平坦地の宅地造成費を控除して評価すべきであるものと考えられます。
作成日:令和7年9月24日
