【質疑内容】
固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例の概要について説明してください。
【回答内容】
1 固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例の概要
固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例は、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換した場合で一定の要件を満たすときに、確定申告することを条件として、譲渡がなかったものとみなされる特例です。
2 関係法令等
(1) 所得税法第58条《固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例》第1項は、居住者が、各年において、1年以上有していた固定資産でイないしホに掲げるものをそれぞれ他の者が1年以上有していた固定資産で当該イないしホに掲げるもの(交換のために取得したと認められるものを除きます。)と交換し、その交換により取得した当該イないしホに掲げる資産(以下「交換取得資産」といいます。)をその交換により譲渡した当該イないしホに掲げる資産(以下「交換譲渡資産」といいます。)の譲渡の直前の用途と同一の用途に供した場合には、同法第33条《譲渡所得》の規定の適用については、当該交換譲渡資産(交換取得資産とともに金銭その他の資産を取得した場合には、当該金銭の額及び金銭以外の資産の価額に相当する部分を除きます。)の譲渡がなかったものとみなす旨規定しています。
イ 土地(建物又は構築物の所有を目的とする地上権及び賃借権並びに農地法第2条《定義》第1項に規定する農地(同法第43条《農作物栽培高度化施設に関する特例》第1項の規定により農作物の栽培を耕作に該当するものとみなして適用する同法第2条第1項に規定する農地を含みます。)の上に存する耕作(同法第43条第1項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含みます。)に関する権利を含みます。)(第1号)
ロ 建物(これに附属する設備及び構築物を含みます。)(第2号)
ハ 機械及び装置(第3号)
ニ 船舶(第4号)
ホ 鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し、又は採取する権利を含みます。)(第5号)
(2) 所得税法第58条第2項は、同条第1項の規定は、同項の交換の時における交換取得資産の価額と交換譲渡資産の価額との差額がこれらの価額のうちいずれか多い価額の100分の20に相当する金額を超える場合には、適用しない旨規定しています。
(3) 所得税法第58条第3項は、同条第1項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨、交換取得資産及び交換譲渡資産の価額その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する旨規定しています。
3 適用要件
(1) 交換譲渡資産と交換取得資産は、いずれも固定資産であること。
(2) 交換譲渡資産と交換取得資産は、同種の資産(上記2(1)のイないしホの区分ごと。)であること。
(3) 交換譲渡資産は、譲渡者が1年以上固定資産として有していたものであること(交換のために取得したと認められるものを除きます。)。
(4) 交換取得資産は、交換の相手方が1年以上固定資産として有していたものであること(交換のために取得したと認められるものを除きます。)。
(5) 交換取得資産を、交換譲渡資産の交換直前の用途と同一の用途に供すること。
(6) 交換譲渡資産の時価と交換取得資産の時価との差額は、いずれか高い方の時価の100分の20以内であること。
(7) この譲渡について、次の特例の適用を受けないこと。
イ 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法(以下「措置法」といいます。)第31条の3第1項)
ロ 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(措置法第35条第1項)
ハ 被相続人の居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(措置法第35条第3項)
ニ 特定期間に取得をした土地等を譲渡した場合の1,000万円の特別控除の特例(措置法第35の2)
ホ 低未利用土地等を譲渡した場合の100万円の特別控除の特例(措置法第35の3)
ヘ 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(措置法第36の2)
ト 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措置法第36条の5)
チ 特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例(措置法第37条)
リ 特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例(措置法第37条の4)
ヌ 既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例(措置法第37条の5)
(8) 交換取得資産及び交換譲渡資産の価額その他財務省令で定める事項を記載した「譲渡所得の内訳書」を添付した上で、所得税法第58条第1項の規定の適用を受ける旨記載した確定申告書を提出すること。
作成日:令和7年9月24日
