16-01_側方路線影響加算の要否

 

【質疑内容】

1 事実関係

(1) 令和X年4月1日に死亡した甲の相続財産には、〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番に所在する宅地(地積は400㎡で、以下「本件宅地」といいます。)が含まれていたところ、本件宅地は、都市計画法第7条《区域区分》に規定する市街化区域内に所在しています。

(2) 本件宅地は、その南側が幅員約6mの市道A号線(以下「本件南側道路」といいます。)に約20m、その東側が幅員約4mの市道B号線(以下「本件東側道路」といいます。)に約20m、それぞれ接面しているところ、本件南側道路と本件東側道路の内角は、約125度です。

(3) 令和X年分の財産評価基隼書によれば、本件宅地は路線価地域に所在しており、本件南側道路には100,000円の路線価が、本件東側道路には80,000円の路線価がそれぞれ設定されています。

 

2 質疑事項

本件宅地の価額の評価に当たって、財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます。)16《側方路線影響加算》に定める側方路線影響加算をして評価すべきか、あるいは、本件南側路線と本件東側路線を屈折した一路線であるとして評価すべきか、いずれとなりますか。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 評価通達関係

イ 評価通達15《奥行価格補正》は、一方のみが路線に接する宅地の価額は、路線価にその宅地の奥行距離に応じて奥行価格補正率を乗じて求めた価額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する旨定めています。

ロ 評価通達16は、正面と側方に路線がある宅地(以下「角地」といいます。)の価額は、次の()及び()に掲げる価額の合計額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する旨定めています。

() 正面路線(原則として、評価通達15の定めにより計算した1㎡当たりの価額の高い方の路線をいいます。)の路線価に基づき計算した価額

() 側方路線(正面路線以外の路線をいいます。)の路線価を正面路線の路線価とみなし、その路線価に基づき計算した価額に側方路線影響加算率表に定める加算率を乗じて計算した価額

(2) 〇〇県建築基準法関係例規集関係

〇〇県建築基準法関係例規集によれば、前面道路によって形成される角度が内角120度以下であることは、建築基準法第53条《建蔽率》第3項第2号の規定による建築面積の敷地面積に対する割合が緩和される敷地に該当する条件の一つとされています。

 

2 裁判例等

国税不服審判所令和6年6月20日裁決は、要旨、次のとおり判断しています。

(1) 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の評価に際し、県建築基準法関係例規集によれば、前面道路によって形成される角度が内角120度を超える場合には角地とされないところ、本件土地の北東側に接する路線(本件北東路線)と北側に接する路線(本件北路線)によって形成される角度の内角が124度であることから、本件北東路線及び本件北路線は、屈折した一路線とみて画地調整等をするべきである旨主張する。

(2) しかしながら、本件北東路線と本件北路線は異なる路線であること、また、本件土地と各路線との位置関係を鑑みれば、利用間口が大きくなって出入りの便が良くなるほか、採光、通風にも有利になることからすれば、本件北東路線と本件北路線とを一路線とみることは相当でなく、上記各路線を二路線とみて、画地調整等を行うのが相当である。

 

3 回答

(1) 正面と側方に異なる二系統の路線がある宅地は、利用開口部が大きくなって出入りの便が良くなるほか、採光、通風にも有利になるため、側方路線の影響を受け、正面路線だけに接する宅地よりも価額が高くなることから、これを財産価値の増加要因とみて、そのような宅地の価額については、評価通達16のとおり、側方路線影響加算をして評価することとされています。

そして、評価通達には、前面道路によって形成される角度の大小をもって、正面と側方に路線がある宅地に該当するか否かを判断する定めはなく、側方路線影響加算をすべきか否かは、正面路線以外に側方にも路線が存在することによる効用が認められるか否かにより判断すべきであるものと考えられます。

(2) これを本質疑についてみると、①本件宅地は、本件南側路線と本件東側路線という異なる路線に接面していること、②本件土地は、本件南側路線と約20m、本件東側路線と約20m、それぞれ接面していることからすれば、利用間口が大きくなって出入りの便が良くなるほか、採光、通風にも有利になるものと認められます。

したがって、本件南側路線と本件東側路線を屈折した一路線とみるのは相当ではなく、本件南側路線と本件東側路線を二路線とみて、評価通達16に定める側方路線影響加算をして評価するのが相当であるものと考えられます。

 

 

作成日:令和8年3月16