21-2-01_倍率方式による宅地の評価

 

【質疑内容】

倍率方式による宅地の評価について説明してください。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます。)関係

イ 評価通達21《倍率方式》は、倍率方式とは、固定資産税評価額(地方税法第381条《固定資産課税台帳の登録事項》の規定により土地課税台帳若しくは土地補充課税台帳(同条第8項の規定により土地補充課税台帳とみなされるものを含みます。)に登録された基準年度の価格又は比準価格をいいます。以下同じ。)に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいう旨定めています。

ロ 評価通達21-2《倍率方式による評価》の本文は、倍率方式により評価する宅地の価額は、その宅地の固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある宅地の売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する旨定め、そのただし書は、倍率方式により評価する地域(以下「倍率地域」といいます。)に所在する評価通達20-2《地積規模の大きな宅地の評価》に定める地積規模の大きな宅地(評価通達22-2《大規模工場用地》に定める大規模工場用地を除きます。)の価額については、本項本文の定めにより評価した価額が、その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額を評価通達14《路線価》に定める路線価とし、かつ、その宅地が評価通達14-2《地区》に定める普通住宅地区に所在するものとして評価通達20-2の定めに準じて計算した価額を上回る場合には、評価通達20-2の定めに準じて計算した価額により評価する旨定めています。

(2) 固定資産評価基準(自治省告示第158号)関係

固定資産評価基準の別表第3《画地計算法》の2《画地の認定》の本文は、各筆の宅地の評点数は、1画地の宅地ごとに画地計算法を適用して求めるものとし、この場合において、1画地は、原則として、土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録された1筆の宅地によるものとする旨定め、そのただし書は、1筆の宅地又は隣接する2筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに1画地とする旨定めています。

 

2 回答

(1) 倍率方式により評価する宅地の価額は、原則として、その宅地の固定資産税評価額に国税局長が定めた倍率を乗じて計算した金額によって評価します(所定の要件を充足した場合には、評価通達20-2に定める地積規模の大きな宅地を適用することができます。)。

 

(2) 倍率方式による宅地の価額は、原則として、上記(1)のとおり評価しますが、問題となるのは、評価通達における評価単位と固定資産評価基準における評価単位の違いにあります。すなわち、評価通達における評価単位は、原則として1画地とされている(詳細は、財産評価に係る質疑応答事例「07-01_土地の評価単位」を参照してください。)のに対し、固定資産評価基準における評価単位は、原則として1筆とされていることです。

相続税や贈与税の課税の場合には、評価通達の定めにより宅地の価額を評価することとなるため、課税時期の現況により、その宅地の利用状況から画地を判定することとなります。したがって、例えば、1筆の宅地が貸地と自用地とに分けて利用されているとか、数筆の宅地が一括して同一人の自用地として利用されていると判定されるような場合には、1画地と1筆とは一致しないこととなります。

このような場合には、次のように、固定資産税評価額をその画地に相応したものに置き換える必要があります。

イ 1画地が数筆の宅地からなっている場合

その1画地が1筆の宅地からなっていると仮定した場合の固定資産税評価額に相当する額を、その1画地を形成する各筆の状況を勘案して算出します(単に、各筆の固定資産税評価額を合計する方法によっても差し支えありません。)。

ロ 1筆の宅地が複数の画地として利用されている場合

その1筆に付された固定資産税評価額を基として、それぞれの画地に付されるべき固定資産税評価額に相当する額を算出します(その1筆の固定資産税評価額を各画地の地積比によってあん分しても差し支えありません。)。

なお、上記イ及びロの固定資産税評価額に相当する額は、課税実務上、評価通達における評価単位を確定した上で、当該確定した評価単位ごとに、固定資産税評価における路線価に基づき画地調整を行い算出することとなります。

 

 

作成日:令和8年4月22