64②-01_保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例の概要

 

【質疑内容】

保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例の概要について説明してください。

 

【回答内容】

1 保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例の概要

保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例は、保証債務を履行するために資産を譲渡した場合で、保証債務の履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないこととなったときに、所定の方法により計算した金額について、譲渡所得の金額の計算上、譲渡がなかったものとみなされる特例です。

 

2 関係法令等

(1) 所得税法第64条《資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例》第1項は、その年分の各種所得の金額(事業所得の金額を除きます。以下同じ。)の計算の基礎となる収入金額若しくは総収入金額(不動産所得又は山林所得を生ずべき事業から生じたものを除きます。以下同じ。)の全部若しくは一部を回収することができないこととなった場合又は政令で定める事由により当該収入金額若しくは総収入金額の全部若しくは一部を返還すべきこととなった場合には、政令で定めるところにより、当該各種所得の金額の合計額のうち、その回収することができないこととなった金額又は返還すべきこととなった金額に対応する部分の金額は、当該各種所得の金額の計算上、なかったものとみなす旨規定しています。

(2) 所得税法第64条第2項は、保証債務を履行するため資産(同法第33条《譲渡所得》第2項第1号の規定に該当するものを除きます。)の譲渡(同条第1項に規定する政令で定める行為を含みます。)があった場合において、その履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないこととなったときは、その行使することができないこととなった金額(不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を除きます。)を同法第64条第1項に規定する回収することができないこととなった金額とみなして、同項の規定を適用する旨規定しています。

3 所得税法第64条第3項は、同条第2項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に同項の規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、同項の譲渡をした資産の種類その他財務省令で定める事項を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する旨規定しています。

 

3 適用要件

(1) 債権者に対して、債務者の債務を保証(平成17年4月1日以降に締結された保証契約については、書面によって締結された契約に限られます。)していたこと。

(2) 保証契約等の締結時において、主たる債務者に債務を弁済する能力があったこと。

(3) 保証債務を履行するために自己の資産(棚卸資産又はこれに準ずる資産を除きます。)を譲渡し、その収入を保証債務の履行に充てたこと(保証債務の履行を借入金で行い、その借入金(利息を除きます。)を返済するために資産を譲渡した場合でも、その資産の譲渡が保証債務を履行した日からおおむね1年以内に行われているなど、実質的に保証債務を履行するためのものと認められる場合を含みます。)。

(4) 保証債務を履行したことに伴って生じた求償権の全部又は一部を行使することができなくなったこと。

(5) 譲渡をした資産の種類その他財務省令で定める事項を記載した「譲渡所得の内訳書」び「保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書」を添付した上で、所得税法第64条第2項の規定の適用を受ける旨記載した確定申告書、修正申告書又は更正請求書を提出すること。

 

 

作成日:令和7年9月24