(措)37の12の2-04_上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除(損失発生年・所得税申告有・株式申告無)

 

【質疑内容】

甲は、令和X年中に、特定口座(簡易申告口座)において上場株式等に係る譲渡損失の金額200万円が生じていましたが、令和X年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告において、当該譲渡損失の金額200万円を申告していませんでした。

この場合、令和X年分の所得税及び復興特別所得税の更正の請求をすることにより、上場株式等に係る譲渡損失の金額200万円を令和X+1年分以後に繰り越すことができますか。

また、特定口座(簡易申告口座)ではなく、特定口座(源泉徴収選択口座)であった場合はどうですか。

 

【回答内容】

1 関係法令等

(1) 租税特別措置法第37条の11の5《確定申告を要しない上場株式等の譲渡による所得》第1項柱書及び第1号は、その年分の所得税に係る源泉徴収選択口座を有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者で、当該源泉徴収選択口座につきその年中にした源泉徴収選択口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡につき同法第37条の11の3《特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例》第1項の規定に基づいて計算された当該特定口座内保管上場株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額並びにこれらの所得の金額の計算上生じた損失の金額を有するものは、その年分の所得税については、同法第37条の11《上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》第1項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額若しくは第37条の12の2《上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除》第2項若しくは第6項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額を除外したところにより、所得税法第120条《確定所得申告》から第127条《年の中途で出国をする場合の確定申告》までの規定及び措置法第37条の12の2第9項において準用する所得税法第123条《確定損失申告》第1項の規定を適用することができる旨規定しています。

(2) 平成14年6月24日付課資3-1ほか「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて(法令解釈通達)」(以下「措置法通達」といいます。)3712の2-5《更正の請求による更正により上場株式等に係る譲渡損失の金額があることとなった場合》は、租税特別措置法第37条の12の2第7項に規定する「上場株式等に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税につき当該上場株式等に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある確定申告書を提出」した場合には、同項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がなく提出された確定申告書につき国税通則法第23条《更正の請求》に規定する更正の請求に基づく更正により、新たに上場株式等に係る譲渡損失の金額があることとなった場合も含まれるものとする旨定めています。

 

2 回答

(1) 特定口座(簡易申告口座)の場合

措置法通達3712の2-5の定めにより、法定申告期限から5年以内に令和X年分の所得税及び復興特別所得税の更正の請求があり、これを税務署長が認容すれば、上場株式等に係る譲渡損失の金額200万円を令和X+1年分以後に繰り越すことができます。

なお、一般口座であった場合も同様です。

(2) 特定口座(源泉徴収選択口座)の場合

租税特別措置法第37条の11の5第1項柱書及び第1号は、納税者が確定申告をする時点において、源泉徴収選択口座で生じた上場株式等の譲渡による所得の金額(又は譲渡損失の金額)を上場株式等に係る譲渡所得等の金額(又は譲渡損失の金額)に含めて確定申告をするか、それを除外して確定申告をするかを納税者の選択に委ねている趣旨と解されるところ、源泉徴収選択口座において生じた当該譲渡所得の金額(又は譲渡損失の金額)を上場株式等に係る譲渡所得等の金額(又は譲渡損失の金額)に含めずに確定申告をした場合には、納税者が、当該確定申告においては当該譲渡所得の金額(又は譲渡損失の金額)を含めないという選択をしたものといえるため、その後にされた、当該確定申告を前提とする更正の請求又は修正申告において、当該譲渡所得の金額(又は譲渡損失の金額)を上場株式等に係る譲渡所得等の金額(又は譲渡損失の金額)の計算上、算入することはできないと解されます。

したがって、特定口座(源泉徴収選択口座)の場合には、上場株式等に係る譲渡損失の金額200万円を令和X+1年分以後に繰り越すことはできません。

 

 

作成日:令和7年9月24