【質疑内容】
上場株式の評価について説明してください。
【回答内容】
1 関係法令等
(1) 財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます。)169《上場株式の評価》は、上場株式の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる旨定めています。
イ ロに該当しない上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所(国内の2以上の金融商品取引所に上場されている株式については、納税義務者が選択した金融商品取引所とする。ロにおいて同じ。)の公表する課税時期の最終価格によって評価する。ただし、その最終価格が課税時期の属する月以前3か月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額(以下「最終価格の月平均額」という。)のうち最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額によって評価する。
ロ 負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価する。
(2) 評価通達170《上場株式についての最終価格の特例-課税時期が権利落等の日から株式の割当て等の基準日までの間にある場合》は、評価通達169項の定めにより上場株式の価額を評価する場合において、課税時期が権利落又は配当落(以下「権利落等」といいます。)の日から株式の割当て、株式の無償交付又は配当金交付(以下「株式の割当て等」といいます。)の基準日までの間にあるときは、その権利落等の日の前日以前の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格をもって課税時期の最終価格とする旨定めています。
(3) 評価通達171《上場株式についての最終価格の特例-課税時期に最終価格がない場合》は、評価通達169の定めにより上場株式の価額を評価する場合において、課税時期に最終価格がないものについては、評価通達170の定めの適用があるものを除き、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる最終価格をもって課税時期の最終価格とする旨定めています。
イ ロ又はハに掲げる場合以外の場合には、課税時期の前日以前の最終価格又は翌日以後の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格(その最終価格が2ある場合には、その平均額)
ロ 課税時期が権利落等の日の前日以前で、イの定めによる最終価格が、権利落等の日以後のもののみである場合又は権利落等の日の前日以前のものと権利落等の日以後のものとの2ある場合には、課税時期の前日以前の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格
ハ 課税時期が株式の割当て等の基準日の翌日以後で、イの定めによる最終価格が、その基準日に係る権利落等の日の前日以前のもののみである場合又は権利落等の日の前日以前のものと権利落等の日以後のものとの2ある場合には、課税時期の翌日以後の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格
(4) 評価通達172《上場株式についての最終価格の月平均額の特例》は、評価通達169の定めにより上場株式の価額を評価する場合において、課税時期の属する月以前3か月間に権利落等がある場合における最終価格の月平均額は次によるものとする旨定めています。
イ 課税時期が株式の割当て等の基準日以前である場合におけるその権利落等の日が属する月の最終価格の月平均額は、次のロに該当するものを除き、その月の初日からその権利落等の日の前日(配当落の場合にあっては、その月の末日)までの毎日の最終価格の平均額とする。
ロ 課税時期が株式の割当て等の基準日以前で、その権利落等の日が課税時期の属する月の初日以前である場合における課税時期の属する月の最終価格の月平均額は、所定の算式によって計算した金額(配当落の場合にあっては、課税時期の属する月の初日から末日までの毎日の最終価格の平均額)とする。
ハ 課税時期が株式の割当て等の基準日の翌日以後である場合におけるその権利落等の日が属する月の最終価格の月平均額は、その権利落等の日(配当落の場合にあってはその月の初日)からその月の末日までの毎日の最終価格の平均額とする。
ニ 課税時期が株式の割当て等の基準日の翌日以後である場合におけるその権利落等の日が属する月の前月以前の各月の最終価格の月平均額は、所定の算式によって計算した金額(配当落の場合にあっては、その月の初日から末日までの毎日の最終価格の平均額)とする。
2 回答
上場株式とは、金融商品取引所(金融商品取引法第2条《定義》第16項に規定する金融商品取引所をいいます。)に上場されている株式をいいますが、上場株式の評価方法には、①通常の場合の評価方法と②負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した場合の評価方法があります。
なお、後記の上場株式の銘柄別の毎日の最終価格は日刊新聞に、最終価格の月平均額は日本証券新聞に掲載されていますが、インターネットなどにおいても確認することができます。
また、上場株式の評価は金融商品取引所における取引価格を基として行うこととなりますが、2以上の金融商品取引所に上場されている株式については、納税義務者が選択した金融商品取引所によることとされています。
(1) 通常の場合の評価方法
通常の場合の上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所における課税時期の最終価格によって評価することを原則としていますが、その最終価格が課税時期の属する月以前3か月間の各月の毎日の最終価格の月平均額のうち、最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額によって評価することとされています。
すなわち、通常の場合の上場株式の価額は、次のイによって評価することを原則とするものの、評価上のしんしゃくを行い、次のイないしニのうち最も低い価額によって評価することとなります。
イ 課税時期の最終価格
ロ 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
ハ 課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
ニ 課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額
上場株式は、金融商品取引所における取引価格がそのまま時価を示していると考えられますが、その取引価格が相当変動することに配慮し、評価上のしんしゃくとして、課税時期の属する月以前3か月間の各月の毎日の最終価格の月平均額をも考慮して評価することとされています。
(2) 負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した場合
負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した上場株式の価額は、課税時期の最終価格によって評価することとされています。
負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引による財産の取得は、一般の売買取引に準じた対価を伴う経済取引行為であり、一般の相続や贈与による財産の取得のような偶発的な無償取得であること等に配慮した評価上のしんしゃくは不要であると考えられることから、負担付贈与又は対価を伴う取引により取得した上場株式については、 評価上のしんしゃくを行わず、原則的な評価方法である課税時期における最終価格によることとされています。
(3) 課税時期に最終価格がない場合等
課税時期に最終価格がない場合やその株式に権利落などがある場合には、評価通達170、評価通達171及び評価通達172の定めにより、一定の修正をすることとされています。
作成日:令和7年9月24日
