1 国税通則法(以下「通則法」といいます。)第23条《更正の請求》の趣旨
申告納税方式に係る国税についての納付すべき税額は、納税者のする申告によって確定させることが原則であり、納税者において、その申告内容に誤りがあり納付すべき税額等が過大であると知った場合には、通則法第23条等の定めるところにより、一定の期限内に更正の請求をすることで、申告により確定した納付すべき税額等の減額を求めることができることとされています。
このように法が定めた趣旨は、当該国税に係る課税標準等について最もその事情に通じている納税者自身の申告に基づいて納付すべき税額を確定し、納税者からするその過誤の是正の請求は法が定めた場合に限って認めることとすることによって、租税債務を安定的かつ可及的速やかに確定するという財政上の要請を満たしつつ、納税者に対し過当な不利益を強いるおそれがないよう考慮をしたという点にあると解されます。
そして、通則法第23条は、一般的な更正の請求について規定しており、通常の場合として、同条第1項は、納税申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額が過大等である場合には、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる旨規定し、一般的な後発的事由に基づく場合として、同条第2項は、課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決(判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含みます。)により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したときなど、同項各号のいずれかに該当する場合には、同条第1項の規定にかかわらず、当該各号に定める期間において、その該当することを理由として同項の規定による更正の請求をすることができる旨規定しています(参考:東京地方裁判所平成29年8月30日判決)。
2 国税通則法第23条第1項及び第2項の関係
通則法第23条第2項は、納税申告書を提出した者又は通則法第25条《決定》の規定による決定を受けた者は、通則法第23条第2項各号のいずれかに該当する場合(納税申告書を提出した者については、当該各号に定める期間の満了する日が同条第1項に規定する期間の満了する日後に到来する場合に限ります。)には、同項の規定にかかわらず、当該各号に定める期間において、その該当することを理由として同項の規定による更正の請求をすることができる旨規定しているところ、同条第2項において、同項による更正の請求のできる期間の満了する日が同条第1項の更正の請求のできる期間の満了する日よりも後でなければ同条第2項による更正の請求を認めないとした趣旨は、同条第1項の期間内であれば同項による更正の請求が認められることによるものと解するのが相当であるから、同条第1項に規定する更正の請求の要件のうち同項第1号の「課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、・・・納付すべき税額が過大であるとき」のうちには同条第2項が規定する場合も含まれていると解するのが相当です(参考:東京高等裁判所昭和61年7月3日判決)。
作成日:令和7年9月24日
