◎ 包括遺贈と特定遺贈
包括遺贈と特定遺贈は、いずれも遺言によって財産を遺贈する方法ですが、包括遺贈は、相続財産の全部又は一定の割合をもって表示した遺贈のことで、例えば、「全ての財産の2分の1を〇〇に遺贈する。」といったように、財産の内容を特定せずに割合を指定して遺贈する方法であるのに対し、特定遺贈は、特定の財産を特定の相手に与える遺贈のことで、例えば、「〇〇市〇〇町〇丁目〇番の土地を〇〇に遺贈する。」といったように、財産と受遺者を指定して遺贈する方法です。
◎ 包括遺贈と特定遺贈の違い
民法は、包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する旨規定しているため(民法第990条)、相続の放棄・承認に関する規定(民法915条ないし第919条)が適用されることから、包括受遺者が遺贈の放棄をするには、自己のために遺贈の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に放棄の申述をしなければならず(民法第915条)、また、包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を持つため、被相続人の債務も承継する可能性があります。ただし、包括受遺者は、全て相続人と同一ではなく、例えば、包括受遺者には遺留分がなく、包括受遺者が遺言者より先に死亡しても、包括受遺者の相続人が代襲して受遺をすることもありません。
これに対し、特定遺贈であれば、原則として、いつでも放棄をすることが可能であり(民法第986条)、特定受遺者が遺贈の放棄をするには、家庭裁判所への手続は不要で、遺言執行者や他の相続人に意思表示をすれば足り、また、特定受遺者は、原則として被相続人の債務を承継しません。
さらに、特定遺贈の場合は、遺贈財産の一部放棄が可能であるのに対し、包括遺贈の場合は、遺贈の一部放棄はできません。
作成日:令和7年9月24日